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No.39     
2007年10月発行     

千葉県吹奏楽コンクール2007特集号

2007/8/5 千葉県吹奏楽コンクール 君津市民文化ホール前にて
2007/8/5 千葉県吹奏楽コンクール 君津市民文化ホール前にて

コンクール物語〜一楽章

コンクールに出場するかどうかは、いつも4月に行われる団の総会で決定される。今年も例年通りA部門での出場になると思っていたが、12年ぶり(1995年にF部門出場)にC部門の出場することになってしまった。正直、自分はA部門での出場を望んでいた。なぜならC部門は、出場時間が早く(A部門より先に行われる)課題曲を演奏しないからだ。課題曲は、A部門出場を想定して総会前にいつも決定される。今年も『ブルースカイ』を演奏することが決まっていた。

コンクールに出場するなら、課題曲を演奏しないとコンクールに出た感じがしない。自分は高校の2,3年時、課題曲を演奏しない部門に出場していた。だから尚更、課題曲のある部門に出場したいという願望が強くなっている。

しかし、総会で決まってしまったのでC部門でがんばるしかない。C部門で出ることを考えていなかった為、自由曲から決め直しを行った。選曲の際、『指輪物語〜一楽章』と『吹奏楽の為のパッサカリア』が最終選考まで残った。二曲とも自分が提案した曲なので、ちょっとビックリした。皆で決めた結果、自由曲は、『指輪物語〜一楽章』になった。この曲は、昔から演奏したかった為、C部門でもこの曲ができるなら、まあよしとしよう。

最初の練習が始まった。この曲は、遅―速―遅の構成になっている。速い箇所は、皆ついていけてないのか、あまり上手くいかなかった。最後に曲を通した時は、それなりの形になった。最初の練習なのでこんなものだろう。

暫く、合奏練習する日が続いたが、大分皆も曲を把握してきた頃なので分奏練習を開始した。しかし分奏練習になると人が揃わない。分奏練習は、木管と金管打楽器に分かれて練習する為、人が揃わないと練習にならない。それでも分奏練習をおこなった。皆は分奏練習をどう考えているのだろうか・・・。

分奏練習も殆どやり尽くしてしまったので、打楽器がパート練習の時に、管楽器だけで基礎合奏を行った。内容は、チューニングB♭を低音群、中音群、高音群に分かれて音を重ねていくものであった。しかしこれが抜群の効果をもたらした。たかが一音だけだが、皆の音が綺麗に調和し、一つの音として奏でていた。普段の合奏は、各パートがバラバラで決して交わることのなかったが、初めて音が纏まり合奏できた気がする。皆も普段との音の違いに驚いていた。この重なりを普段の合奏で常に心掛ける事ができれば、もっとよくなっていくだろう。

あっという間にコンクール当日になった。早朝に集合した為、皆眠そうだ。バスに揺られて君津の会場に到着した。到着しても、まだ何人か眠そうな人もいる。

自分達の順番がやってきた。いよいよ本番の開始だ。これまでの練習の道のりは長いのに、コンクールの本番は、たった7分で終ってしまう。今回も演奏が始まると途端に終った感じがした。演奏が終了して、記念撮影をし、バスに乗り込んで鎌ケ谷まで帰っていった。

コンクールの結果は、『銅賞』だった。結果はどうであれ、第三者に批評される機会を大事にしたい。音楽は、順位をつけたり、点数をつけたりするものではないと言うが、しかしコンクールとは、そういうものである。批評される事を嫌うよりも、批評されたことを、今後の演奏に活かすことを考えることが大事であると思う。

皆に一つだけ考えて欲しい事がある。コンクールの練習、本番を通して自分自身が成長できたかどうかを。もし成長したのならば、皆に『金賞』をあげたい・・・。

著者:鎌吹の魔法使いガンダルフ

「千葉県吹奏楽コンクールに参加しました!」

新年度に変わり、最初のイベントである千葉県吹奏楽コンクール(8月5日 君津市民文化ホール)に参加いたしました。例年は、県代表の選出も兼ねている「一般A部門」に参加しておりましたが、今年は「一般C部門」に参加いたしました。この部門のメリットは、課題曲がないので一つの曲を集中して取り組める、後日ひかえている夏祭りの練習の時間が確保できる、ということです。

今年の自由曲の紹介は別のコーナーに掲載されておりますが、この文が団員に配布されたお蔭でイメージを掴むことが出来ました(感謝です)。その中の突然始まるアレグロヴィヴァーチェで、ティンパニのソロをはじめ打楽器が馬の疾走のシーンを盛り上げるところがあるのです。本来は、張り切って練習に参加するはずでしたが… 仕事や子供の行事等で、半分ほど練習を欠席しなければなりませんでした。毎年“本番も譜面を追うので精一杯”ということを繰り返すのは嫌だなと思いました。今年は練習に出られなくても何とか曲を覚えて体に染み込ませようと思い、毎日の通勤でCDをひたすら聴いていました。また、自宅では楽器に触れないので、練習台で練習をしました。少しは周囲の音も聴けるようになったと思います。しかし、皆と合奏する絶対的回数は少なく、曲の完成度はあまり 高くないまま本番を迎えることとなりました。

当日の出番が早いため、朝6時に鎌ケ谷を出発しました。何歳になってもバスでの移動は、遠足気分になることを再認識しました。出来れば、来年も利用したいと思います。本番では落ちついて演奏が出来、荘厳な雰囲気や騎乗の疾走感もうまく表現出来たのでは?と思ったのですが、結果は「銅賞」でした。例年通り、“納得”と“悔しさ”が半々の気分で今年のコンクールは終わりました。皆さん、お疲れ様でした!(楽器運搬を手伝ってくだった方々、ありがとうございました。)

コンクール曲紹介

〜交響曲第一番「指輪物語」 第一楽章 魔法使い“ガンダルフ”〜

遠い遠い昔、闇の冥王サウロンは密かに、世界を滅ぼす魔力を秘めた“ひとつの指輪”を作り出した。その指輪の力によって支配された中つ国では一人の勇者がサウロンの指を切り落とし、悪の手から国を救った。それから数千年の時を経た中つ国第三世紀。いつしか伝説となっていた指輪を、ホビット族のフロドは養父のビルボから譲り受けることになる。しかしその時彼の身には指輪を取り戻そうとするサウロンの部下達が迫っていた。世界を守るためには指輪をオロドルイン山の火口、“滅びの亀裂”に投げ込み破壊するしか方法はない。そこでフロドを中心とする9人の仲間が結成され、彼らは“滅びの亀裂”目指し、遥かなる冒険の旅に出るのだった……。J・R・R・トールキンによって書かれたファンタジー小説の金字塔、「指輪物語」のあらすじです。「ロード・オブ・ザ・リング」として映画化されたことでも有名ですね。ヨハン・デ=メイはこの小説「指輪物語」に着想を得て、当時吹奏楽としては異例とも言える全五楽章、およそ42分もの大曲を作曲しました。ヨハン・デ=メイはこの曲で『サドラー国際ウインド・バンド作曲賞1989』の最優秀作品に選ばれています。ヨーロッパ人としては初めてで、歴代最年少の受賞だったそうです。

さてこの曲、小説の登場キャラクターや場面を題材とする五つの楽章から構成されています。第一楽章・魔法使い“ガンダルフ”、第三楽章・ゴクリ(スメアゴル)、第五楽章・ホビットたちが主要キャラクターの人物描写の楽章で、第二楽章・エルフの森“ロスロリアン”、第四楽章・暗闇の旅(a. モリアの坑道、b. カザド= ドゥ ムの橋)が情景やストーリー描写の楽章となっています。また楽章の並びは必ずしも原作ストーリーの展開には沿っておらず、交響曲として演奏された場合の音楽的構成に重きが置かれています。

今回、私達鎌ケ谷吹奏楽団が演奏したのは、第一楽章・魔法使い“ガンダルフ”です。ガンダルフは白いあご鬚をたくわえ、先の尖った帽子をかぶり、灰色のローブに手には杖を持つ『灰色の魔法使い』と呼ばれる者であります。(途中で『白の魔法使い』として蘇りますが……)指輪の魔力を知る、賢く強力な魔法使いで、フロドに助言を与える旅の仲間の指導者でもあります。曲はまずファンファーレに導かれた堂々たる導入部で始まります。荘厳ながらこの唐突な始まりは、ガンダルフの気質の一つ、気まぐれを表しているそうです。彼は一つのところに留まらず、常に放浪の旅を続けており、灰色の放浪者などと呼ぶ者もいます。神出鬼没であるそんなガンダルフ故の、この曲の始まりなのかもしれません。その後現れるモチーフはガンダルフのテーマといえるもので、崇高さと力強さを持ち、その魔術と深い見識で旅の仲間の危機を何度も救う彼の人柄を表しています。これはガンダルフが登場する第四楽章のバルログとの一騎打ちのシーンや、第五楽章の中つ国に平和が訪れたことを讃えるシーンにも形を変えて現れます。次いで突然テンポを変えて始まるアレグロ・ヴィヴァーチェの音楽は、ガンダルフがローハン王から拝領した馬、飛蔭(Shadow fax)の疾駆するさまをスピード感豊かに表現したものであります。驚異的な俊足を持ち、敵と対峙しても恐れを見せない、「馬の王」と呼ばれるほどに気品の高い名馬です。国王以外の者を乗せたことはなかったのですが、ガンダルフとだけは心を通わせました。その躍動感にあふれた音楽は、曲全体に強い推進力を与え、まるで駆ける駿馬の姿を目に浮かばせるかの如くです。特に場面を定めている訳ではないようですが、飛蔭に乗って活躍するガンダルフの姿は物語中随所に見られます。それらのシーンと重ね合わせて音楽を聴いてみるのも一興かもしれません。そして、マエストーソで騎乗のテーマと重なるようコラール調の主題が現れた後、再びアンダンテ・マエストーソでガンダルフのモチーフが現れ、モルト・マエストーソでドラマチックに楽章 は締めくくられます。

Kamagaya Windband - Publications