第16回定期演奏会 プログラム 戻る

ごあいさつ

本日はお忙しい中ご来場いただき誠にありがとうございます。
お陰様で,当楽団も発足以来18年目を迎えることができました。週に一度,それも貴重な日曜日に練習を行いながら,吹奏楽コンクール,福祉ふれあいまつりを始め,最近では小学校との合同演奏会,そして昨年は白井町福祉センターフェスティバルへの参加と,演奏の場を求めて幅広く活動させていただいております。そんな中,昨年に引き続きここ白井町文化会館にて演奏会を開くことが出来ましたのも,皆様方のご支援,ご協力によるものと団員一同感謝しております。また,これまでの演奏会で皆様からご協力いただいたチャリティー募金は,鎌ケ谷市社会福祉協議会へ寄付させていただいておりますが,この度同協議会より感謝状をいただきました。この場を借りてご報告と,御礼を申し上げます。
さて本日の演奏会ですが,前回,このホールの音響のすばらしさに感動したため,照明などの演出なしに,純粋に音楽を楽しんでいただこうと企画しています。どこまでご満足いただけるかはわかりませんが,皆様と一緒に少しでも音楽を楽しめたらという思いで演奏いたします。どうぞ最後までごゆっくりとお楽しみ下さい。
余談ですが,当楽団では,広く団員を募集しております。今日の演奏に少しでも共鳴していただいたら(そうでなくても)一緒に音楽を楽しみましょう。
鎌ケ谷吹奏楽団団長 内山 治 

【曲目解説】


トッカータ・マルツィァーレ (ヴォーン=ウィリアムス作曲)

ラフ・ヴォーン=ウィリアムス(1872-1958)は、イギリス民謡を基調とした作風の、今世紀を代表する作曲家の一人です。歌劇や9曲の交響曲をはじめ多くの作品を残しました。吹奏楽のためには、「イギリス民謡組曲」「行進曲 海の歌」そしてこの「トッカータ・マルツィァーレ」を残しています。

原曲のタイトルは「トッカータ・インB・フォー・ミリタリー・バンド(軍楽隊のためのトッカータ変ロ長調)」でしたが、出版にあたって現在のタイトルとなりました。「トッカータ」という曲の持つイメージ(形式の原理にこだわることなくすばやく変わってゆく「場面」の連続を描いた曲)に合った曲で、絶え間なく前進するムードの曲です。「戦いのトッカータ」と呼ぶ人もいるそうです。

吹奏楽曲としてあまりポピュラーでなく、よく演奏される曲とはいえませんが、大作曲家の手になる手のこんだ対位法で書かれた曲です。主要動機と、中間部で出てくる民謡風な間奏曲の、二つの主要なテーマを持っています。

譜面は4分の3拍子。しかし実態は,変拍子が混じったり半拍ずれたりしながら掛け合いを繰り広げます。一度見失うともう大変…。


プロヴァンス組曲 (ヴァン=デル=ロースト作曲)

  1. 天使が叫んだ
  2. アダムと連れ合い
  3. 屋根葺き職人
  4. ほうき

ヤン・ヴァン=デル=ロースト(1956- ベルギー生れ)は、現在レメンズ・インスティテュートで教鞭を取るかたわら、作編曲家としての活動や、吹奏楽、混声合唱団ほかの指揮者としても活躍しています。作曲家としては吹奏楽以外にも、金管五重奏、合唱曲、ピアノ曲、弦楽合奏や交響曲等の作品を手がける多才な作曲家です。

4つの楽章からなる「プロヴァンス組曲」は,南フランスのプロヴァンス地方に伝わる民謡を基につくられています。ヤン・ヴァン=デル=ローストはそれらのメロディを用いて色彩豊かな器楽曲に編曲し,土着的な色合いを残しながら活き活きとした感じを余すことなく伝えてくれます。


ドラゴンの年 (フィリップ・スパーク作曲)

レッド・ドラゴンウェールズの国の紋章「レッド・ドラゴン」をタイトルにしたこの作品は、ウェールズの金管バンド「コーリー・バンド」の委嘱により、1984年、同バンドの結成100周年記念作品として完成された。初演は、同年3月、ウェールズの首都カーディフのセント・デーヴィッズ・ホールにおける同バンドの100周年記念演奏会で、H・アーサー・ケニー少佐(同バンド音楽監督)の指揮で行われた。作品委嘱のスポンサーも、ウェールズ芸術カウンシルで、まさにウェールズづくしの作品である。

作曲家のフィリップ・スパーク(1951- )は、ロンドン生れで、王立音楽カレッジ(RCM)でトランペット、ピアノ、作曲を修め、デビューするや、その才能はたちまちのうちに認められることになる。作品はすでに60曲を超え、そのすべてがレコード化されるか放送されているが、「コンサート・プレリュード」(1975)、「ユーフォニアムのための幻想曲」(1978)、「長く白い雲の国 − アオテアロア」(1986)、「ジュビリー序曲」(1982)、「オリエント急行」(1986)等、バンド音楽のジャンルでも次々とヒットを飛ばしている。

オリジナルの金管バンド版はステューディオ・ミュージックから出版されたが、今回演奏するウィンド・バンド(吹奏楽)版は「バーミンガム・スクールズ・ウィンド・オーケストラ」の委嘱により、作曲者自身の手で1985年に完成、初演は翌86年2月、キース・アラン指揮の同ウィンド・オーケストラによりバーミンガムで行われた。編曲と言うより、全くの新作を思わせるオーケストレーションで、同じステューディオ・ミュージックから出版されるや、たちまちのうちに全世界へ広まった。日本へは、1988年4月の「ロイヤル・エアフォース・セントラル・バンド」日本公演で紹介され、エリック・バンクス(当時中佐)の指揮で、東京、大阪、名古屋で演奏された。

「トッカータ」は,ミュートした金管楽器とスネア・ドラムの刺激的なリズムで始まり,バス・ドラムの強烈なアクセントが加わります。「間奏曲」は,夢の中を漂っているようなコーラングレのソロを中心に,徐々に楽器の数を増しながら情念を秘めつつも感動的な頂点に達し,その後水が引くように静まります。間をおかずに「フィナーレ」へ突入すると,途中幾つかのソロを交えながら,躍動的で圧倒的なクライマックスへ向かってひたすら走り続けます。


デリー地方の古いアイルランド民謡 (グレンジャー編曲)

俗に「ロンドンデリーのうた」とか「ダニー・ボーイ」と呼ばれるアイルランド民謡であり,世界で一番美しい歌といわれることも多い曲です。一度じっくりと聴いてみれば青く晴れて澄みきった,郷愁さえ感じられるこのメロディーのとりこになることでしょう。


屋根の上のヴァイオリン弾き メドレー (後藤 洋 編曲)

ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」は初演以来3,242回のロングランを記録し,日本でも根強い人気があります。舞台は帝政時代のロシアの寒村で,ユダヤ人の村長テビエと村人たちの泣き笑いの人生,そして政府の命令で村人が土地を追われるまでを描いています。それぞれの楽曲からは,世界各地で苦難の歴史を生きたユダヤ人の音楽がもつ哀しみや逞しさを感じることができます(テビエは故郷への執着心を「ここのユダヤ人はみんな屋根の上のバイオリン弾きみたいなものだ 落ちないように気を配りながら愉快で素朴な調べをかき鳴らそうとしている」と例えている)。


スター・ウォーズ メインタイトル (ジョーン・ウィリアムズ作曲/平石 博一 編曲)

ジョージ・ルーカス監督の映画「スター・ウォーズ」はスペース映画ブームを開拓した作品と評されつつ,SFっぽさを感じさせない物語でもあります(黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」を彷彿とさせる)。作曲者は“19世紀のロマンティック・シンフォニー”をイメージしたようですが,登場人物ごとにテーマ曲があったりして,まるで歌のないオペラのようです。中でも,この「メイン・タイトル」はさしずめ“オペラの序曲”といったところでしょうか?